メディア自身による報道管制?

 千葉大医学部病理学の海堂 尊氏はフジテレビ系で放映されているドラマ「チームバチスタの栄光」の原作者でもあるが、機能的な死亡原因調査手段としての「Aiシステム」導入をも唱道されている方である。

 厚労省も長らく無視してきたが、やむを得ず腰を上げ、研究会を立ち上げ、そのメンバーにこれまでAiシステムについて検討してきた研究者ではなく、そのような方法によって死因調査に取り組むことを反対してきた研究者達を採用したと言うことである。

 そこまでは、行政当局が自分たちの都合の良い答申が得られそうなメンバーで研究会を構成するという、例の方針通りであることから容易に推定されるところである。

 ところが新たに、メディアにも「」と思わせる場面があったそうだ。


 「Aiという用語に対する報道管制?
  千葉大Aiセンターの山本正二先生のところに、テレビ朝日スーパーJチャンネルの取材が入ったそうです。来週木曜日放映らしい。ところが、取材の最中に番組のディレクターから、「Aiという言葉は使用しないでください、死後画像という言葉を使って下さい」と要望されたそうです。これって、メディアによる言論統制では?

 山本先生にはその取材の後、法医学教室を取材する予定だと言っていたそうです。「海堂先生には取材しないのですか」と尋ねたところ、「あちらは他局でやられているので」と答えたのだそうです。Aiセンターを樹立している先生に取材しながら、「Aiという言葉は使わないように」と依頼するのは、報道姿勢として問題があるのではないでしょうか。

 山本先生がやんわり抗議されたところ、「Ai使用の件は再検討しますが、全国誰が見ても『Ai…ああ、あのことね』と分かるかどうかなんですよね〜」という返事だったということです。」

 日経メディカル ブログ:海堂尊の「死因不明でいいんですか?」
 :http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/kaidou/200812/508874_3.html より抜粋、強調引用者


 「Ai」と「死体画像」とどちらが「ああ、あのことね」と、全国的に誰にも通じやすいのだろうか。「死体画像」という表現は一般的に考えると、「死亡者の容貌・状態・表情などの概観」を写した写真と解釈されるのではないだろうか。Aiセンターを取材しながら、敢えてこの用語を用いるという意図は?「他局に先を越されたから」、実際に使用されている用語を変えて、別の紛らわしい表現を採用する?当局の意向に添う?

 ちなみに、関西では毎日放送が昼間の一般向け番組で「Aiシステムによる死因調査の取り組み」が取り上げられた。ここでは「Ai画像」、「Aiセンター」などの実際、海堂氏へのインタビューなどが紹介されたが、視聴者から用語も含め「違和感があった」などのようなコメントは寄せられていないようである。