首相の突然の指示で現場混乱「長寿医療制度」

ニュース記事から

 「75歳以上を対象とする「後期高齢者医療制度」の名称が福田康夫首相の指示で突如「長寿医療制度」に変更されたことについて、2日の与党社会保障政策会議では「長寿医療制度といわれても、何を意味するのかすぐに分からない」などの批判が相次いだ。また、同医療制度を運営する全国の広域連合からは「どちらの名称を使えばよいのか」といった問い合わせが厚生労働省に寄せられ、現場での混乱が広がっていることも明らかになった。...以下略」
  4月2日22時22分配信 産経新聞
  http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080402-00000966-san-pol

 先般、朝日新聞の「声」欄に読者から「後期高齢者」という呼称に対し、行政は私たちを「余り者」という風に見ているのだろうかと言った趣旨の投書があった。たしかにこの投書で述べられていたように高齢者に前期も後期もないはずで、行政上の手続き、あるいは医学・生理学的な背景から区分したい、あるいはしなければならないのであれば、「○歳以上」とか「以下」で間に合うだろう。

 「長寿医療が何を意味するのかはすぐには分からない」というが、「後期高齢者医療」が何を意味するのかも分からない。投書者の述べるように「まさに、余り者」と言いたいのかとも勘ぐりたくなる呼称ではないだろうか。

 そう言った意味で、福田総理は国民感情を理解した上での指摘であり、役人はこういった人情の機微を推し量るべきである。