ええっ!

 「中山前国交大臣の政界引退を受けて、近々予想されている衆議院解散総選挙に宮崎県の東国原知事が出馬の意欲」ということが取りざたされている。

 同知事は宮崎県知事選出馬以前から国政の場に参加したいと努力されてきたと聞いていた。まずその足がかりとして出身地の宮崎県の不祥事に関して「宮崎をどげんかせんと」というキャッチフレーズで出馬、県民の支持を得て見事知事に就任、これまでのところ宮崎県の活性化に寄与してきたことが外からもうかがえる。そう言う意味で、知事が衆議院選挙に出馬の意向を示すことは理解できるが。

 しかし、彼が知事選出馬時のマニフェストに記載された事項がどれだけ軌道に乗っているのかはメディアも県外では報道することなく不明である。マニフェストが全てではないにしても、「宮崎がどげんかできた」と知事は考えているのだろうか。

 もし、知事が「どげんかできた」と考えているなら、これまでの内容を総括して、県民に問うべきである。彼が任期途中で知事職を投げ出して、進みかけた改革が継続されるだろうか。これまで改革を試みてきた他県の知事達は複数期かかっているが。また、後継者の育成はできたのだろうか。

 自民党宮崎県連は厄介者を排除したく「東国原知事は地元においておくのは惜しい、ぜひ中央政界で活躍して欲しい」といかにもという見え透いた甘言で応援を表明したようだ。

 東国原氏が現時点で一介の国会議員となってどれだけのことができるだろうか。知事職は任期もきちんときまっており、不祥事を起こさない限り、一国(県)の長として権限を有し、目標に進むことができる。他方国会議員はそれなりの経験を積むまでは単なる陣笠に過ぎないし、衆議院では解散があり、任期を全うできた例は少ない。確かに、小泉チルドレンの何名かが初当選で内閣入りを果たしたが、僅かな任期でどれだけ国政に寄与したただろうか。大臣になっても官僚の抵抗にあい、(僅かな例外を除き)何もできないことはこれまでの経過から明らかである。

 信を得るためには今しばらく地元で実績を残すことが重要ではないか。